『どうすれば人は成長するのか?』
これは、長年、人材育成にあたってきた私の
永遠の課題だと思っています。
基本は褒めて伸ばしたいと思っているのですが、
中には褒められたことに対して素直に喜べない人がいます。
生まれてきた時には心身共に『素』だった人が、
恐らく、育って来た環境の中で、
様々なバイアスが働くようになってしまったんでしょう。
例えば、親の顔色を見るようになる、
屈折して周囲をバカにするようになる、
人に対する猜疑心が強くなる…など。
褒められても、それが励みにならない人に対しては、
何をモチベーションにしてあげればいいのか?
ほとほと困り果ててしまうことがあります。
実は、これは本人にとっても、周囲の人たちにとっても、
とても不幸な状態なのですが、
一朝一夕で心のあり様を変えることは難しいんですね。
『素直』というのは、決して盲目的に人に従順なことを指すわけではなく、
偏見や先入観なしに、人の意見に耳を傾けられるということ。
自分自身に固執せず、柔軟に新しい知識や意見を吸収できるということ。
間違ったプライドに左右されず、常に心がフラットな状態を指す、
と私は考えています。
褒められたことをピュアに喜べるようになると、
もっと褒められたい!と努力をするようになる。
その結果、成果をだす事ができる~また褒められる…と、
プラスのスパイラルが生まれ、
短期間でスクスクと成長を遂げる事ができるのです。
変な先入観や固執、猜疑心を捨てて、『素直』な心の状態を、
ぜひ、つくっていただきたいと思います。
ただ、この『素直』な心の状態は、
8回目の「コンプレックス」の項でも述べましたが、
自分自身を好きになれないと、なかなか難しいのかもしれません。
自分を好きになって、人に対して素直な方は、
周囲の人たちからも愛され、大切にしてもらえます。
このことを私は、私が出会う若い世代に、
愛情ともって、繰り返し~繰り返し、
伝えていきたいと思っています。