塾長のコラム Message by Miho Nishitani

四門出遊 ~ 孤立からの脱却

全国207ヶ所の児童相談所が2014年に対応した
児童虐待の件数は8.9万件。

24年連続で最多を更新したそうです。
この数字は表面に出た氷山の一角。
隠れた数を考えるに、本当に胸が痛みます。

最近になって、やっと社会的な関心も高まり、
児童福祉施設に避難する子どもたちも
徐々にではありますが、増えてきているようです。
ただし、幼少期のトラウマは簡単には消えず、
避難できた子どもたちが幸せな人生を送る例は、
残念ながら、極めて少数だということも事実。

18歳以上は施設を出なければならず、
ホームレスになったり、犯罪をおかしたり、
もっとも悲惨な例は自殺をしてしまったり…。
DVをする親も多くは、幼少期DV被害者であったという
虐待の連鎖や貧困、地域からの孤立など、要因も複雑です。

施設の数はもちろん、それを支えるマンパワーの不足も深刻で、
どうすれば、不幸の連鎖を止められるか、
国や自治体も明確な回答を持っていないというのが現実でしょう。

このような根の深い問題を私が解決できるはずもありませんが、
声を大にして言いたいのは、どうか孤立しないでほしいということです。

家族から虐待を受けていることを、
誰にも伝えられず孤立する子どもたち。
自立を急ぐばかり、困っても誰にも相談できずに孤立する
児童福祉施設を卒業した子どもたち。
そして、何より育児にいき詰まっていることを
誰にも話せずに孤立する母親たち。

誰の意見も聞かず、誰の慰めも受けず、誰にも助けを求めず、
社会からひとり取り残されたかのような孤独感に苛まれていては、
生きるのがあまりに辛過ぎることでしょう。

隣のおばちゃん、学校の先生、近所のおまわりさん、
向かいのお兄ちゃん、本当に誰でもいいから、まず話しをすること。
一人がダメだったからって諦めてはいけません。
周囲にはいろんな人がいるはずだから、次、また次と…。

人間は決して一人では生きてはいけません。
周囲の人に助けられ、支えてもらいながら、
育っていくものなんです。

虐待で苦しむ子どもたちが、母親が、
一歩、外に足を踏み出す勇気をもって、
孤立からの脱却をはかってほしいと、
心の底から願ってやみません。

2015-11-05
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